秋田県能代市のみどり歯科医院です。歯を衛(まも)る!健康創造型の歯科医院をめざします。 

一生自分の歯で食べる事が出来る幸せを! 歯科医療はマンツーマンの診療室での「診療」と、地域での保健活動によるゾーンディフェンス「予防」がキーポイントです。

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東北地区歯科医学会、医療連携はNSTで歯科が貢献、同級生の講演発表に喝采 

 先週の土曜日10/17は診療が終わるのももどかしく、直ぐに着替えて車に乗りました。目的地は自分の故郷であり、また母校の有る岩手県盛岡市です。ですから自分としては、行くのではなく「帰る」と言う感覚です。 十和田インターから東北自動車道に入り、長い長い竜ケ森トンネルを抜けると、雄大な岩手山が目に飛び込んできます。岩手山PAで一息入れて盛岡市内に入ります。夕方などはインターチェンジを降りてから時間がかかるようです。もう顔パスになった定宿に荷物を置き、そそくさと中の橋を大通り方向に向かい、テレビ岩手、岩手日報社、桜山神社、盛岡城跡の岩手公園、そしてサンビルを通っていきます。
盛岡01

ようやく、気の置けない仲間と合流し、いつもの場所でワイワイと楽しい一夜となりました。いつの間にかつい飲みすぎてしまい、ハメが外れたのか二日酔いとなってしまい、翌10月18日(日)は、ハット目が覚めたらもう9時でした。前夜祭の余韻で頭が未だ起きていない体に鞭を打って、駅裏(西口とも言う)の目指す学会場へと向かいました。

 岩手県歯科医師会館では第62回東北地区歯科医学会がもう9時から開催されておりました。一般公演は全8群、計40演題もエントリーしていました。特に午前中の第1~4群の20題には、地域歯科保健に関する演題が集中していました。演者別では岩手県歯科医師会4題、宮城県歯科医師会2題、岩手八幡平歯科医師会1題、青森県歯科医師会会員1題、奥羽大学1題、東北大学3題、岩手県歯科衛生士会2題、奥州市歯科医師会2題、宮城県2題、米沢市歯科医師会1題、秋田県会員1題でした。やはり地元である岩手県からは県歯会4題、地域支部3題、歯科衛生士会2題、合計9題とほぼ半数を占めました。
学会01

 中でも関心の高かった演題は、医療連携NST(栄養改善サポートのチーム医療)関連でした。医療連携の体制が次第に構築されつつある現在、生活の質( QOL)を守る医療としての歯科(あるいは口腔領域、咀嚼嚥下機能)の位置付けと今後の歯科医療の方向性がどのようにマッチさせていくのか自分の意識が向いている領域です。
 今回は全国的に見ても先進的な取り組みの実践報告を拝聴して、地域の歯科医師会として「地域の人たちの歯(口腔)の健康を守る」という熱い思いとチームワークよろしく頑張っている責任感を実感させられました。
 そのうちの地域歯科保健活動の2演題(学会全体では3演題)が嘗て机を並べて勉強した同級生が発表している姿を見て、彼らの雄姿に胸が熱くなる思いでした。
<第62回 東北地区歯科医学会案内>

 演題10 地区歯科医師会に対する地域医療連携の進捗状況調査報告
 岩手県歯科医師会口腔保健センター運営委員会 演者:朴沢弘康 ほか6名

 演題11 介護施設における協力歯科医の有無な実態調査の検討
 岩手県歯科医師会口腔保健センター運営委員会 演者:六本木 章 ほか6名

 演題13 NSTへの歯科の介入とこれからの連携の有り方
 奥州市歯科医師会、岩手県立胆沢病院 演者:森岡範之 ほか10名

 演題14 NSTにおいて歯科の介入により栄養状態が改善した2症例
 奥州市歯科医師会、岩手県立胆沢病院NST 演者:清水 潤 ほか10名


上記 演題10の概要ですが、現在、全国的に医療現場の課題となっている医師不足による地域の医療体制の機能低下を防ぐ為に、個々の医療機関の枠を取り払って地域全体としての効率的運用をする事が求められています。今回の報告に依れば医療連携の為には準備段階として、医師会、歯科医師会、薬剤師会、歯科衛生士会、技工士会、そしてNST、さらには福祉領域のケアマネージャー、老人保健施設、特別養護老人施設、障害者施設、包括支援センター、行政関係では保健所、自治体の保健センター、学校保健会、社会福祉協議会などの関係機関、組織との間での会合、懇親会(ナイトシンポジウム?)を通して情報交換を行っています。その際、口腔連携パス票を状況把握の共通の資料として用いています。そこから見えてきた課題に対して、知識技術の工場の為の研修会の開催により、知識の共有段階へと進みます。さらに実践段階として共同の事業企画や中核病院などを舞台とした診療連携、さらには、回復して在宅、或いは施設入所になった段階での往診・訪問診療などをて展開していく図式です。
 また、演題14は、病院内では「栄養管理は全ての医療の基本」の言葉通り、NST回診に歯科医師が参加しすることにより、看護職員が実施している口腔ケアーにより最初は出血や腫脹が顕著であった口腔内が驚くほど改善した事例にはじまり、全身の栄養状態や進行した蓐瘡が改善した事例などが、方言を交えたやり取りの再現などよってユーモラスに表現されていました。
ここまで来ればもはや「歯科」の範囲を超えて「生命を守る医療」の一環として機能しているという事が出来るでしょう。

さらに、印象が深かったのは、仙台の杉本是孝先生から将来に向けた歯科医療界への提言とも言える演題でした。

 演題16 歯科医療の特異性(医歯一・ニ原論)の歴史と現在-「口腔医学」創設・育成プロジェクトについて
 宮城県歯科医師会会員 杉本是孝


これまで「歯科」という標榜のために歯科医師の目も「歯」だけに向いていた傾向があるが、これを「口腔医学」という概念で再構築しようというプロジェクトについて福岡歯科大学など8大学が参加して事業展開が行われているという事です。歯科関係者としては、期待感と共に今後の動向が注目されます。
 <口腔医学の学問体系の確立と医学・歯学教育体制の再考>

また、歯科衛生士会からもパワフルな発表がありました。
 演題18 「歯の衛生週間」事業報告-胆江支部<いきいき歯っぴいライフ2008>
 社団法人 岩手県歯科衛生士会   演者:高橋光恵 ほか15名


この発表では「お口のエクササイズ」で歯科衛生士が実演デモをおこなうという熱のいれようです。
歯科衛生士会胆江支部の活動は奥州市歯科医師会のホームページに掲載されています。
 <いきいき歯っぴいライフ2009>の報告書
岩手山111

余談ですが、今学会で発表されたような奥州、胆沢地区の歯科スタッフの尽力には、郷里の大先輩であり「国家衛生原理」を著し、公衆衛生を「健康警察医官」と位置づけたかの後藤新平翁がご覧になれば、頼もしい後輩達にさぞかしご満悦されたのではと推察されます。

 今回は、これら演題の内容の深さに圧倒された思いでした。振り返って、我が周囲は...と考えると、まだ緒に就いていない物が殆どといって良いくらいで、これらを進展させるにはどうしたら良いか、思案のしどころです。やはりキーパーソンというか、コア(核)になる人間が必要な事を痛感させられました。しかし、そのためには、全身状態を診る医学的、また介護の知識はもとより、関連団体との折衝、交渉などのコミュニケーション(+人脈)、そして有る意味で組織を作りまとめるカリスマ性というか、政治家的な要素など多岐にわたる能力が必要とされるのでは、と予想されます。
このことが岩手は現実化して、歯科でも地域保健活動に対して熱心なのは、大学の存在が大きいのではと思っていましたが、このごろは地域性(=県民性)にも関係すると感じています。この前同級生から岩手では「結いっこ」という地域社会のコミュニティ(いわゆるご近所の底力)、町内会とか相互扶助の精神が現存しているとの話を聞きました。
 帰り道に以前に読んだ2つの話を思い出しました。
一つは高村光太郎の詩「岩手の人」です。
 
岩手の人沈深牛の如し
両角の間に天球をいだいて立つ
かの古代エジプトの石の牛に似たり
地を住きて走らず 企てて草卒ならず
ついにその成すべきを成す

角の間の「天球」は「目的・志」という意味でしょうか。「草卒成らず」は、慌てない、急がないということで、ゆっくりとしているという表現です。しかし、「ついにその成すべきを成す」なんとも力強い結語でしょうか。今年の高校野球で突如大旋風を起こした花巻東高校もこれに当てはまるのではないでしょうか。

そして、もう一つは内館牧子さんが一昨年秋田さきがけ新報に掲載したコラムの中にあった「秋田の女よ 立ち上がれ」です。内舘さんは父親は盛岡、母親は秋田出身です。
「県民性を雪かきに例えると、盛岡の人は「おれ、雪かきやるから一緒にやろう」「おお、一緒にやろう」。対して秋田の人は「おれ、雪かきやらねがら、おまえもやるな」「んだな。やらね」となるという。
そして、内館さんはこう続ける。
「おれもやらねがらおまえもやるな」という県民性は、非常に気楽で実は外からきた人間にとっては緊張しない。見栄っ張りでオープン、見栄っ張りだから美容院の数が日本一・・・。これらをプラス面だと考えるべき。見栄っ張りの繋がりでいうと、江戸っ子は見栄を張ることを“粋”としたほどだ。」

 記事を読んだ時、その眼力にほとほと感心した物でした。秋田の県民性はこのHPにも紹介されています。こちらでは「イザという時に便りになる」と紹介されています。またこちらでは、セカンドバッグ愛用が全国一とか....また都道府県別統計とランキングで見る県民性はなかなか面白い切り口で分析しています。
秋田県のホームページには秋田の日本一とベスト3があります。その一方でいわゆる地域格差の現れとして、秋田県が乗り越えるべき指標が出ています。
 秋田のイメージといえば小野小町に代表される美人の里であり、米所、そして酒どころでも有ります。最近は小中学校の学力テスト日本一という嬉しいニュースもありました。粘り強さも県民性の特徴ですから、今後に期待したいものです。
 
さて、自分も…いつかは「ついに成すべきを成す」と行きたい物です。同級生の活躍と、歯科医療の方向性の変化に大きなインパクトを受けた学会でした。(10月19日  24日改)

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